「ロシア巡る緊張緩和 戦争放棄へ、被爆国の責務」〈第28回〉 

 朝日新聞 私の視点「ロシア巡る緊張緩和 戦争放棄へ、被爆国の責務」千田悦子(元国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員)
 2022/03/24

 「ロシアのウクライナ軍事侵攻で世界が震撼し、西側諸国がこぞってウクライナに武器を送り、ロシアに経済制裁を加えている。」
 誰もロシアを実質的に止めることができないと指摘するのは、元国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員の千田悦子さんだ。

 普段お世話になっている方から、先日この新聞記事をご紹介いただいた。この千田さんの文章は、ロシアがウクライナに侵攻を開始した2月24日からちょうど1カ月が経過した3月24日の新聞に掲載されたものである。

 アメリカやNATO、そして日本など西側諸国がロシアのウクライナ侵攻を終わらせるため、ロシアに対して様々な制裁や圧力を加えてきた。しかし、ロシアの侵攻が始まってから間もなく3カ月が経とうとしている今日においてもその状況は変わっていない。

 千田さんは、ウクライナに武器を送り続けることだけでは戦争終結にはつながらないと主張されている。

 「武装強化は問題解決どころか対立を深める。」

 西側諸国がウクライナに武器を送り続けていることに対して、武器を送らない日本の果たす役割を千田さんは次のように指摘している。

 「世界が存続の危機に立つ今、唯一の被爆国であり、恒久平和を希求して戦争放棄した国民として、日本人が新しい戦争放棄というパラダイムを世界に提案すべきではないか。」

 千田さんの言う「新しい戦争放棄というパラダイム」とは何か。
 ウクライナ人を励まし、多くのロシア人に真実を知らしめ、そして世界の人々の共感を得て、無意味な戦争をやめさせる大きな力となる「新しい戦争放棄というパラダイム」を日本が提示できるかどうかは、私たち日本人の意志にかかっているのではないかと、千田さんの文章を読んで感じた。

 国連が機能不全にある中、各国がそれぞれに果たす役割があるはずである。自国の国益のみにとらわれず、未来に誇れる行動が今最も求められているように思う。

■調べたこと

 国連難民高等弁務官事務所について調べてみた。
 Office of the United Nations High Commissioner for Refugees(UNHCR)

 国連難民高等弁務官事務所は、第二次世界大戦後、依然として避難を余儀なくされていた100万人以上の人々を援助するために1950年に設立された。当初は3年の予定であったが、その後は5年ごとに更新された。2003年、総会は「難民問題が解決するまで」その期限を延長した。UNHCRの第一の目的は、難民や庇護を求める人々、帰還者、無国籍者、強制された国内避難民の権利を保護、擁護するとともに、いかなる人も自己の意思に反して迫害を恐れる理由のある国へ送還されないようにすることである。政府による国際法の順守を監視し、難民の権利を主張し、その保護のもとにある人々に緊急援助や物的援助を提供する。(国際連合広報センターホームページより)

 国連難民高等弁務官事務所が設立されてから今日に至るまで、難民問題が解決していないという事実に衝撃を受けた。設立から72年たった現在、ロシアによるウクライナ侵攻によって難民は激増している。

 国連安保理の機能不全により、ロシアの戦争を止めることができていないが、国連難民高等弁務官事務所など国連による人道支援に対してはは大いに力を発揮してほしいと願う。難民に対する支援など、リーダーシップを発揮できる機関は唯一国連であり、中国やインドなどロシアに近い国々も一致して支援をしてほしいと思う。
 また、国連による人道支援についての報道も、情報を得るためにテレビなどで大きく取り上げてほしいとも感じた。

■気になった言葉

 沿ドニエストル、アブハジア、南オセチア、ルガンスク・ドネツク(ドンバス地域)

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「ロシア巡る緊張緩和 戦争放棄へ、被爆国の責務」〈第28回〉 ” に対して2件のコメントがあります。

  1. 中田洋三 より:

    過日、岸田総理がウクライナのゼレンスキー大統領に(G7議長国で、最後の首脳として)広島の杓文字を手渡した。
    誠に、短絡で無知としか言えません。世界のどれだけ人々がこの事を知っているのでしょう。
    被爆国日本そして、広島と長崎県民の方たちはどのように思ったでしょう。
    日本は先頭に立って戦争放棄に行動しなければなりません。
    「失われた30年」が、ここまで成り下がった事が残念に思います。

    1. モトナリ より:

      中田 様 コメントありがとうございます。
      世界で唯一の被爆国である日本の果たせる役割は大きいと思っています。
      戦争放棄に向けてリーダーシップを発揮してほしいと願っています。

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