読む行為から『心の森』を作る 齋藤孝 <第10回>

齋藤孝「本が「染み込む」感覚 原点」
毎日新聞朝刊(2021年7月14日)

 「第67回青少年読書感想文全国コンクール」の特集記事の中で齋藤さんは、中学生の時、父親に買ってもらって読んだ印象的な本の一冊を紹介されています。

 その本は、勝海舟の言葉を収めた「氷川清話」。
 「毎日持ち歩いて読んでいた。少しずつページをめくるうち、その言葉が段々と頭や体に染み込んできて、まるで勝海舟と一緒に暮らしている気分になった」と語っています。

 齋藤さんの心の中には勝海舟をはじめゲーテ、シェークスピアなど古今東西の先人がたくさんいて、「自分が何かを考えたり行動したりする時、彼らが応援してくれているんです。」と子どもたちに語りかけています。
 僕もこの考え方には非常に共感していて、僕の心の中にも何人かの先人が住んでいます。(笑)

 齋藤さんは、読書という行為を「自分の中に、偉大な先人たちが住む『心の森』を作ること」だと記事の中で表現されています。
 普段の生活の中では、夏目漱石やドストエフスキーのような大物から話を聞ける機会はめったにないですが、本を開けば、その言葉を『聞く』ことができ、自分と対話することができると、齋藤さんは自身の著書の中でも盛んに書かれています。

 夏休みの宿題の定番である読書感想文。
 やらされているのではなく、子どもたちにとって、積極的に本と対話ができる機会になれば良いなと思います。

 僕の印象に残っている読書感想文の想いでは、小学校4年生の時、勉強を教えてもらっていた先生から『イエス・キリスト』の伝記を渡されて感想文を書いてくる宿題を与えられたことです。この後も1週間に1冊、課題の本を渡されて感想文の宿題を提出した記憶があります。

 このことがきっかけで僕は伝記に興味をもち、学校の図書室にある伝記をすべて読みました。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康をはじめ野口英世、二宮尊徳、キュリー夫人、ナイチンゲール、ヘレンケラーなど25数冊ほどあったと思います。
 今思えば、この読書の経験が歴史に興味をもつきっかけになったと思います。

 少しのきっかけで子どもは自然に本を読むようになると思います。齋藤さんも、「小学生はよく本を読んでいると感じられています。
 一方で、「スマートフォンを手にすることが増えてくる中学生以降、本を読む時間が減ってしまう例が少なくない」と残念がられています。

 一番いろんなことを吸収できる中学生以降の子どもたちが、本を読む時間が減ってしまうのは非常に残念な事です。
 夏休みに読んだ本は、夏の想い出とともに今でもよく覚えているものが多いように思います。

 この夏、大人もいっしょに本を読んで楽しめば、子どもたちも自然と本を読むのではないでしょうか。

 齋藤さんは、「書くことで、その本を読んで得られた価値が3倍にも4倍にも膨らむ」と語っています。

 コロナ禍の夏を読書の夏として好機にかえることもコロナに打ち勝つ一つのあり方かもしれません。この夏は、いつか読もうと積読している本の中から記憶に残る読書をたくさんしてブログに載せていきたいと思っています。

■次に読みたい本
・齋藤孝『頭が良くなるインプット』主婦の友社、2021年
・齋藤孝『頭が良くなるアウトプット』主婦の友社、2021年
 「昨年改定された小学校の学習指導要領で、主体的・対話的で深い学びに取り組む「アクティブラーニング」が重視されるようになったことも踏まえ、齋藤さんが子ども向けに      学びの方法を説く。」

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