臓器移植 大幅減 毎日新聞記事 <第12回>
『毎日新聞』(2021年7月17日朝刊)
くらしナビ-ライフスタイル-「先見えぬ待機患者」生野由佳
新聞の記事によると、国内の臓器移植件数は1997年の臓器移植法の施行以降、ほぼ増加傾向にあったが、2019年の480件から20年は318件に大幅に減ったという。同様に増加傾向にあった脳死後の臓器提供件数も19年の97件から20年は68件と大幅に減少している。
一方で、臓器移植の希望登録者(待機者)数は増加傾向にあり、心臓移植を希望する人は19年の793人から20年の898人と大幅に増えている。
記事では、これらの数値の推移から、この1年間臓器移植が進んでいないことを指摘している。その背景には、コロナ禍の影響が考えられ、今年も同様の状況が続いているという。
移植待機者患者とその家族を支援する非営利団体「トリオ・ジャパン」の青山竜馬代表は、「コロナ禍が長期化し、臓器移植でしか命をつなぐ方法がない人たちはますます、先の見えない闘病生活を余儀なくされている。不安の声が大きくなっています。」と訴えています。
コロナ禍にあって移植医療が後回しになったり、移植医療にとって厳しい時代が続くのではないかと懸念する声も上がっています。
コロナの感染拡大により、医療現場がひっ迫している状況を僕らはメディアなどを通じて知っています。
感染症が拡大している中の医療の状況を知り、この感染症が終息した後の医療の在り方をどう見直していったらいいのか、今問われている重要な問題だと思いました。
青山氏は、「臓器移植への理解を停滞させず、広めていきたい。コロナ以外の高度医療が後回しにならないように要望したい。」といわれています。団体のホームページでは、患者の移植前と、日常を取り戻した移植後の姿を公開されているそうです。
社会がどんな状況であろうと、必要な医療を受けることのできる未来の社会であってほしいという思いと、コロナ禍を乗り越えたことを契機として、そんな未来を現実なものにしていかないといけないと感じました。