映画「ラーゲリより愛を込めて」FROM SIBERIA WITH LOVE 〈第32回〉
映画『ラーゲリより愛を込めて』FROM SIBERIA WITH LOVE パンフレット、2022年
この映画は、第二次世界大戦後、シベリアの収容所であるラーゲリで捕虜となるも、希望を捨てずに生き続けた山本幡男さんの熾烈な半生を描いたノンフィクション映画です。
山本幡男さんの半生を綴った、辺見じゅんによる『収容書から来た遺書』は、平成元年(1985)に刊行され、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。
そして2022年、本作が「ラーゲリより愛を込めて」として映画化されたことで、再び山本幡男さんに注目が集まっています。
私が山本幡男さんを知ったのは、この映画がきっかけです。
映画のパンフレットには、山本幡男さんが家族に宛てた遺書全文が掲載されています。
あまりにも残酷な日々に誰もが絶望する状況下において、生きることへの希望を最後まで捨てなかった山本さんの姿に胸を打たれました。
戦後77年経った今でも、ウクライナとロシアの戦争が現実に起こっています。
こんな時代に、改めて日ソ戦争とシベリア抑留について考えることは必要なことだと、この映画を観賞して感じました。
【参考】
辺見じゅん『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』文春文庫、1992年
月刊『歴史街道』2023年1月号、PHP研究所
「特集1 日ソ戦争とシベリア抑留-いま日本人が知っておくべきこと-」
シベリア抑留 ソ連対日参戦によってソ連軍に占領された満洲、朝鮮半島北部、南樺太、千島列島で戦後にかけて抑留された日本人は約57万5千人に上る。約5万8千人が死亡した。男性が多いが女性も抑留されている。
映画『ラーゲリより愛を込めて』公式サイト
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