ネスタリゾート なぜ躍進 自然×冒険=興奮∞ 毎日新聞記事 <第16回>

小坂剛志「週刊金曜経済 なぞ解きけいざい今週のギモン ネスタリゾート なぜ躍進」
毎日新聞 2021/7/9 大阪朝刊

 「ネスタリゾート神戸」は2016年、大規模年金保養施設「グリーンピア」の跡地に開業した施設。(兵庫県三木市)
 「延田グループ」(大阪市)が、230万平方メートルという広大な敷地にホテルやプール、温泉、スポーツ施設を整備した。
 しかし、来場者数が伸び悩んだため、マーケティング会社の「刀」と協業することとなった。

 「刀」は、USJのV字回復の立役者といわれた森岡毅さんが設立した会社である。森岡さんは2017年に「刀」を設立した。面白いこの社名には「日本を生著させる武器になる」という意味が込められている。「刀」には消費者調査やブランド戦略の専門家、弁護士、公認会計士ら約50人が在籍する会社だそうだ。
 「刀」は、それまでの「大人向けの映画テーマパーク」という方向性からの脱却を主張。徹底した市場調査などで客が求めるサービスや商品を突き止め、それを満たす価値を構築する。幅広い層の集客を目指し、矢継ぎ早に手を打った。

 2012年 ハローキティやスヌーピーなどの人気キャラクターを集めたエリアをオープン。
 2013年 後ろ向きに走るジェットコースターを導入。
 2014年「ハリーポッター」の世界を再現したエリアをオープン。

 その結果、2014年度の入場者数は1270万人、2016年度は1460万人となり3年連続で過去最多を更新した。
 2018年春、ネスタ再生に向けたプロジェクトが立ち上がり、その責任者になったのが「刀」の北浦範子さん。
 北浦さんがネスタを初めて訪れた時の印象は、「この施設には消費者に認知してもらうだけの『顔』、つまり特徴がない」と感じたそうだ。
 そこで導き出した魅力あるコンセプトが「大自然の冒険テーマパーク」だった。

 北浦さんは「日常では体験できない本能を揺さぶるパークにすれば、他の自然系の集客施設とは違う独自のブランドをつくれる」と考えたそうである。
 2018年秋、野球場と多目的運動場は「ワイルド・バギー」というサーキットコースに変わった。
 2021年3月には、モデル銃を使ったサバイバルゲーム「ガンバトル・ザ・リアル」を開設。

 入場者数の増加で得た資金で新しい施設を設け、集客に成功すればさらに値上げする料金戦略はUSJのそれに通じる。
 消費者ニーズをつかみ、サービスに活かす戦略は企業経営の基本といえる。
 これは企業に限ることではなく、自治体においても、市民ニーズをつかみ、行政サービスに活かす戦略は重要である。
 この記事はそのことを教えてくれている。

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